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曹洞宗とは?教えやお経・葬儀の流れと焼香マナーを解説!

終活のトリセツ

「曹洞宗という名前は聞いたことがあるけれど、どんな教えなのかよくわからない」という方は多いのではないでしょうか。

曹洞宗は日本の禅宗の中でも信徒数が多く、葬儀や法事で関わる機会も少なくありません。ただ坐禅を組むことを大切にする教えや、独特の葬儀の流れ、焼香の回数など、知っておくと役立つことがたくさんあります。ここでは曹洞宗の基本的な教えから、実際の葬儀の流れ、焼香や数珠のマナーまで、わかりやすく紹介していきます。

曹洞宗とは?

曹洞宗は日本の仏教宗派の一つで、禅宗に分類されます。鎌倉時代に道元禅師によって日本に伝えられ、瑩山禅師によって全国に広まりました。

1. 曹洞宗の開祖と成り立ち

曹洞宗を日本に伝えたのは道元禅師(1200年~1253年)です。道元禅師は若い頃に比叡山で天台宗を学びましたが、やがて中国(当時の宋)に渡って禅を学びました。

中国で天童如浄という師に出会い、ひたすら坐禅を組む「只管打坐」の教えを受けたといわれています。帰国後、道元禅師は福井県の永平寺を開き、曹洞宗の基礎を築きました。その後、瑩山禅師(1268年~1325年)が石川県の總持寺を開き、民衆に寄り添いながら曹洞宗を全国に広めていったのです。

二人の禅師の教えが今も脈々と受け継がれているというのは、なんだか心強い気がしますね。

2. 曹洞宗の本山

曹洞宗には二つの本山があります。一つは福井県にある永平寺、もう一つは神奈川県の總持寺です。

永平寺は道元禅師が開いた寺院で、深い山の中に静かに佇んでいます。總持寺はもともと石川県にありましたが、明治時代の火災を経て横浜市鶴見区に移転しました。どちらも「大本山」と呼ばれ、同じように尊重されています。

二つの本山があるというのは珍しい形かもしれません。それぞれの歴史と役割が、今も大切に守られています。

3. 曹洞宗の信徒数と広がり

曹洞宗は日本国内で約1万4千以上の寺院を持ち、信徒数は約400万人ともいわれています。禅宗の中では最も信徒が多い宗派です。

北は北海道から南は沖縄まで、全国各地に寺院が点在しています。地域に根ざしたお寺が多く、葬儀や法事を通じて身近に感じている方も多いのではないでしょうか。檀家として曹洞宗のお寺とお付き合いしている家庭も少なくありません。

これだけ広く受け入れられているのは、教えがシンプルで日常生活に寄り添っているからかもしれませんね。

曹洞宗の教えの特徴

曹洞宗の教えは、ひたすら坐禅を組むことを中心としています。悟りを求めるのではなく、坐禅そのものが仏の姿だという考え方です。

1. 只管打坐(しかんたざ)の意味

只管打坐とは「ただひたすら坐禅をする」という意味です。何かを得るために坐禅をするのではなく、坐禅をすること自体が修行であり、悟りであるという考え方です。

「悟りを開くために坐禅をする」という目的志向ではなく、「坐禅をしている姿こそが仏である」という教えなのです。この点が、公案(禅問答)を重視する臨済宗との大きな違いといえます。

何かを求めずに、ただ座るだけ。一見シンプルですが、実はとても深い教えだと思います。現代の忙しい日常の中で、ただ静かに座る時間を持つことの大切さを感じさせてくれます。

2. 即心是仏(そくしんぜぶつ)の考え方

即心是仏とは「心がそのまま仏である」という意味です。誰もが生まれながらにして仏の心を持っているという教えです。

特別な修行をしなくても、すでに仏性は備わっています。ただそれに気づいていないだけなのです。坐禅を通じて自分自身の中にある仏性に目を向けることが、曹洞宗の修行の核心といえるでしょう。

「自分の中にすでに答えがある」という考え方は、どこか安心感を与えてくれます。外に何かを求めるのではなく、内側を見つめることの大切さを教えてくれているのかもしれません。

3. 日常生活そのものが修行

曹洞宗では、坐禅だけでなく日常生活のすべてが修行だと考えられています。食事をすること、掃除をすること、眠ることまで、すべてが修行の一部なのです。

永平寺では「行住坐臥(ぎょうじゅうざが)」といって、歩くこと、立つこと、座ること、寝ること、すべてに作法があります。何気ない日常の一つ一つを丁寧に行うことが、心を整える修行になるという教えです。

特別なことをしなくても、毎日の暮らしの中に修行がある。そう考えると、日々の生活が少し違って見えてくるかもしれませんね。

曹洞宗で読まれるお経の種類

曹洞宗の法要や葬儀では、いくつかの代表的なお経が読まれます。それぞれに深い意味が込められています。

1. 正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)

正法眼蔵は、道元禅師が著した曹洞宗の根本経典です。全95巻にも及ぶ膨大な書物で、仏法の神髄が記されています。

内容は非常に哲学的で深遠なため、一般の檀家が読み解くのは容易ではありません。ただ、その中には「行持(ぎょうじ)」や「現成公案(げんじょうこうあん)」など、日常生活の大切さを説く章もあります。

葬儀や法要では全文が読まれることはありませんが、曹洞宗の教えの根幹を成す重要な経典です。道元禅師の言葉が、何百年もの時を超えて今も読み継がれているのです。

2. 修証義(しゅしょうぎ)

修証義は、正法眼蔵の内容をわかりやすく抜粋してまとめたお経です。明治時代に在家信徒のために編纂されました。

全5章からなり、「総序」「懺悔滅罪」「受戒入位」「発願利生」「行持報恩」という構成になっています。曹洞宗の教えの要点が凝縮されているため、一般の檀家にも親しみやすい内容です。

葬儀や法事でよく読まれるお経の一つです。正法眼蔵よりも短く、要点がまとまっているので、曹洞宗の教えを知る入り口として最適かもしれません。

3. 般若心経(はんにゃしんぎょう)

般若心経は、多くの宗派で読まれる有名なお経です。わずか276文字(漢字)の中に、仏教の核心的な教えが凝縮されています。

「色即是空、空即是色」という有名な一節があります。この世のすべてのものは実体がないという「空」の思想を説いています。曹洞宗でも葬儀や法要で頻繁に読まれるお経の一つです。

短いお経ですが、その内容は深く、何度も聞いているうちに少しずつ意味が染み込んでくる気がします。

4. 大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)

大悲心陀羅尼は、観音菩薩の慈悲の心を説いたお経です。陀羅尼とはサンスクリット語の音をそのまま漢字に写したもので、呪文のような響きを持っています。

葬儀や法要では、この大悲心陀羅尼が読まれることが多いです。観音様の大いなる慈悲で故人を見守ってほしいという願いが込められています。

意味はわからなくても、そのリズムや響きには不思議な力があるように感じられます。耳で聞いているだけで、心が落ち着いてくるのではないでしょうか。

曹洞宗と他の宗派の違いは?

曹洞宗を理解するには、他の宗派との違いを知ることも役立ちます。特に同じ禅宗の臨済宗、そして浄土真宗との違いを見ていきましょう。

1. 臨済宗との違い

曹洞宗と臨済宗は、どちらも禅宗に分類されます。しかし修行の方法に大きな違いがあります。

曹洞宗が「只管打坐」、つまりただひたすら坐禅を組むのに対し、臨済宗は「看話禅(かんなぜん)」といって公案(禅問答)を使った修行を重視します。「両手を叩けば音がする、では片手の音とは何か」といった問いかけを師匠から与えられ、それについて考え抜くのが臨済宗の修行です。

坐禅の組み方も違います。曹洞宗は壁に向かって座る「面壁坐禅」ですが、臨済宗は部屋の中央を向いて座ります。焼香の回数も、曹洞宗は2回、臨済宗は1回が基本です。

同じ禅宗でも、アプローチの仕方がまったく異なるのは興味深いですね。どちらが良いというわけではなく、それぞれの道があるのでしょう。

2. 浄土真宗との違い

浄土真宗と曹洞宗は、仏教の根本的な考え方が大きく異なります。

浄土真宗は「他力本願」の教えで、阿弥陀如来の力によって救われるという考え方です。「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで極楽浄土に往生できるとされています。一方、曹洞宗は「自力」を重視し、自分自身の修行によって仏性に気づくことを目指します。

葬儀の考え方も異なります。曹洞宗では葬儀で故人に戒名を授け、仏弟子として送り出します。しかし浄土真宗では、人は亡くなるとすぐに阿弥陀如来に救われて仏になると考えるため、葬儀は「成仏を願う儀式」ではなく「阿弥陀如来への感謝の儀式」という位置づけです。

このように、目指すものも方法もまったく違います。それぞれの宗派の背景を知ると、葬儀の意味合いも変わって見えてきますね。

曹洞宗の葬儀の流れ

曹洞宗の葬儀には独特の儀式があります。他の宗派とは異なる流れや意味を持つ部分もあるので、知っておくと安心です。

1. 剃髪(ていはつ)

剃髪とは、故人の頭髪を剃る所作を行う儀式です。実際に髪を剃るわけではなく、剃刀を頭上にかざす形で行われます。

これは故人が出家して仏弟子になることを意味しています。曹洞宗では、亡くなった人は葬儀を通じて僧侶となり、仏の道を歩み始めると考えられているのです。

髪を剃るという行為は、煩悩を捨て去ることの象徴でもあります。形式的な所作ではありますが、そこには深い意味が込められています。

2. 授戒(じゅかい)

授戒は、故人に戒名を授ける儀式です。仏弟子として守るべき戒律を授けることを意味します。

曹洞宗では「十六条戒」といって、三帰戒、三聚浄戒、十重禁戒を授けます。これにより故人は正式な仏弟子となるのです。戒名もこのタイミングで授けられます。

授戒によって、故人は俗世の人から仏門の人へと生まれ変わります。新しい名前(戒名)をもらうというのは、新しい人生の始まりを意味しているのかもしれません。

3. 入棺諷経(にゅうかんふぎん)

入棺諷経は、故人を棺に納めるときに読経する儀式です。お経を唱えながら、故人の旅立ちを見送ります。

このとき読まれるのは、故人の冥福を祈るお経です。遺族や参列者も一緒に手を合わせ、故人が安らかに旅立てるよう祈ります。

棺に納められる瞬間は、遺族にとって別れを実感する大切な時間です。お経の響きが、その悲しみを少しでも和らげてくれるような気がします。

4. 龕前念誦(がんぜんねんじゅ)

龕前念誦は、出棺の前に棺の前でお経を唱える儀式です。龕(がん)とは棺を意味します。

ここでは故人の生前の功徳を讃え、無事に仏の世界へ旅立てるよう祈ります。僧侶が棺の前で読経し、遺族や参列者も焼香を行います。

故人との最後の時間を大切に過ごす儀式といえるでしょう。静かにお経を聞きながら、故人との思い出を振り返る時間になります。

5. 挙龕念誦(こがんねんじゅ)と鼓鈸三通(くはつさんつう)

挙龕念誦は、棺を霊柩車に移す際に行われる儀式です。鼓鈸三通は、太鼓とシンバルのような鈸(はつ)を三度打ち鳴らすことです。

この音によって、故人に出発の時が来たことを知らせます。同時に、周囲の人々にも故人の旅立ちを告げる意味があります。

音が鳴り響く瞬間は、どこか荘厳な雰囲気に包まれます。故人が新しい世界へと旅立つことを、音で表現しているのかもしれませんね。

6. 引導法語(いんどうほうご)

引導法語は、故人を仏の世界へ導くための儀式です。僧侶が故人に向けて法語(教えの言葉)を述べます。

このとき「喝!」という大きな声を発することもあります。これは故人の迷いを断ち切り、悟りの世界へと導く意味があるといわれています。松明(たいまつ)で円を描く所作を行う場合もあります。

引導法語は曹洞宗の葬儀の中でも特に重要な儀式の一つです。僧侶の力強い声が、故人の魂を浄土へと送り出してくれるのでしょう。

7. 山頭念誦(さんとうねんじゅ)

山頭念誦は、火葬場で荼毘に付す前に行う儀式です。山頭とは火葬場を意味します。

ここでも僧侶がお経を唱え、故人が無事に成仏できるよう祈ります。火葬炉の前で読経することで、故人の肉体から魂が解き放たれることを願うのです。

最後の別れの場で読まれるお経は、遺族の心に深く刻まれます。炎に包まれる前の静かな祈りの時間です。

8. 出棺

出棺は、故人を火葬場へ送り出す儀式です。遺族や参列者が棺を霊柩車まで運び、故人に最後の別れを告げます。

このとき、喪主や遺族が位牌や遺影を持ち、霊柩車に同乗することが多いです。火葬場へ向かう途中、故人との思い出を静かに振り返る時間になります。

出棺の瞬間は、遺族にとって最も辛い別れの時かもしれません。けれど、曹洞宗の教えでは故人は新しい旅立ちを迎えるのです。悲しみの中にも、次の世界への希望が込められています。

曹洞宗の焼香マナー

焼香は葬儀や法事で行う大切な所作です。曹洞宗には独自の焼香マナーがあるので、知っておくと安心です。

1. 焼香の回数は2回

曹洞宗の焼香回数は2回が基本です。ただし、1回目と2回目では所作が異なります。

1回目は抹香を額の高さまで持ち上げる「押し頂く」動作を行います。これは香への敬意を表す所作です。2回目は額まで持ち上げず、そのまま香炉にくべます。

押し頂くのは主香(しゅこう)といって、最も大切な焼香です。2回目の従香(じゅうこう)は、そのまま静かにくべるだけで良いのです。

焼香の回数は宗派によって違うので、曹洞宗では2回と覚えておくと良いでしょう。もし参列者が多くて時間が限られている場合は、1回でも構わないとされています。

2. 立ち焼香の手順

立ち焼香は、最も一般的な焼香の形式です。祭壇の前まで進み、立ったまま焼香を行います。

まず焼香台の前で遺族と僧侶に一礼します。次に遺影に向かって一礼し、合掌します。右手の親指、人差し指、中指の3本で抹香をつまみ、1回目は額の高さまで持ち上げてから香炉にくべます。

2回目は押し頂かず、そのまま香炉にくべます。焼香が終わったら合掌し、遺影に一礼します。最後に遺族と僧侶に一礼して、自分の席に戻ります。

一連の流れはゆっくりと丁寧に行うことが大切です。焦らず、故人を偲ぶ気持ちを込めて焼香しましょう。

3. 座り焼香の手順

座り焼香は、畳の部屋などで行われることが多い形式です。自分の順番が来たら、座ったまま焼香台の前まで進みます。

移動は「膝行(しっこう)」または「膝退(しったい)」といって、正座のまま膝を使って進みます。焼香台の前に座ったら、立ち焼香と同じように遺族と僧侶、遺影に一礼します。

焼香の所作も立ち焼香と同じです。1回目は押し頂き、2回目はそのままくべます。終わったら合掌して一礼し、膝行で自分の席まで戻ります。

座ったまま移動するのは少し難しいかもしれません。でも、丁寧にゆっくり動けば大丈夫です。焦らずに一つ一つの動作を心を込めて行いましょう。

4. 回し焼香の手順

回し焼香は、狭い場所で行われる形式です。焼香炉が参列者の間を回っていきます。

自分の順番になったら、隣の人から香炉を受け取り、軽く一礼します。香炉を自分の前に置き、遺影に向かって合掌します。立ち焼香と同じように、1回目は押し頂き、2回目はそのままくべます。

焼香が終わったら合掌して一礼し、次の人に香炉を回します。このとき、一礼してから渡すのがマナーです。

回し焼香は自宅での法事などで行われることが多いです。香炉を落とさないよう、丁寧に扱うことを心がけましょう。

曹洞宗の数珠の持ち方

数珠は仏事に欠かせない大切な法具です。曹洞宗には独自の数珠の形や持ち方があります。

1. 曹洞宗の数珠の特徴

曹洞宗の数珠は、主玉108個からなる長い輪が基本です。これは人間の煩悩の数である108を表しています。

数珠には2本の房がついていて、片方は親玉から出ている長い房、もう片方は反対側についている短めの房です。親玉は大きめの玉で、そこから弟子玉と呼ばれる小さな玉が連なっています。

男性用と女性用でサイズや色が異なることもあります。男性用は濃い色や黒、女性用は明るい色や透明感のある色が選ばれることが多いです。自分の好みや手の大きさに合わせて選ぶと良いでしょう。

2. 数珠の正しい持ち方

曹洞宗の数珠は、両手にかけて持つのが基本です。房を下に垂らし、親玉が手前(自分側)に来るようにします。

数珠を二重にして両手の人差し指と中指の間にかけ、房は手の外側(手の甲側)に垂らします。座っているときは左手で持ち、房を下に垂らしておきます。歩くときも左手で持つのが一般的です。

数珠は「仏様とのご縁をつなぐもの」といわれています。大切に扱い、使わないときは袋に入れて保管しましょう。床に直接置いたり、他人に貸したりするのは避けた方が良いです。

3. 合掌するときの使い方

合掌するときは、数珠を両手にかけたまま手を合わせます。房は下に垂らしたまま、指先を揃えて静かに合掌します。

焼香の際も、数珠は左手にかけたままで行います。右手で抹香をつまんで香炉にくべ、終わったら両手を合わせて合掌します。このとき数珠は両手の指にかかった状態になります。

数珠を持って合掌することで、仏様への敬意を表すことができます。心を込めて手を合わせることが何より大切です。形だけでなく、故人を偲ぶ気持ちを込めて合掌しましょう。

曹洞宗の香典の書き方

香典は故人への供養の気持ちを表すものです。宗派によって多少の違いはありますが、基本的なマナーを押さえておきましょう。

1. 表書きの書き方

曹洞宗の香典の表書きは「御霊前」または「御香典」が一般的です。四十九日までは「御霊前」、四十九日以降の法事では「御仏前」を使います。

ただし、四十九日法要当日は「御仏前」とすることが多いです。これは四十九日で故人が成仏すると考えられているためです。「御香典」はどのタイミングでも使える表書きなので、迷ったときに便利です。

表書きは薄墨の筆ペンで書くのが正式です。薄墨は「悲しみの涙で墨が薄まった」という意味を表しています。ボールペンや万年筆は避けましょう。

2. 金額の書き方

香典袋の中袋には、包んだ金額を記入します。金額は旧字体の漢数字で書くのが正式です。

例えば、5千円なら「金伍阡円」または「金伍仟円」、1万円なら「金壱萬円」、3万円なら「金参萬円」と書きます。数字を改ざんされないよう、難しい漢字を使う習慣があるのです。

中袋の裏面には、自分の住所と氏名も記入します。遺族が香典返しを送る際に必要な情報なので、丁寧に書いておきましょう。ペンで書いても構いませんが、できれば筆ペンが望ましいです。

3. 香典袋の選び方

香典袋は、包む金額に合わせて選びます。5千円以下なら水引が印刷されたシンプルなもの、1万円以上なら実際の水引がついた袋を選ぶのが一般的です。

水引の色は黒白または双銀が基本です。結び方は「結び切り」または「あわじ結び」を選びます。これらは一度きりという意味があり、繰り返してほしくないことに使われます。

蓮の花が描かれた香典袋は仏式用なので、曹洞宗でも問題ありません。ただし、豪華すぎる袋は中身の金額とのバランスが悪く見えることもあります。金額に見合った袋を選ぶことが大切です。

曹洞宗の仏壇と位牌

曹洞宗の仏壇には独特の飾り方があります。正しい配置を知っておくと、日々のお参りも心を込めて行えます。

1. 仏壇の飾り方

曹洞宗の仏壇の中心には、ご本尊として釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)を安置します。釈迦牟尼仏とは、お釈迦様のことです。

ご本尊の右側(向かって左側)には、高祖の道元禅師、左側(向かって右側)には太祖の瑩山禅師の掛け軸または像を飾ります。この三尊を「一仏両祖」と呼びます。

仏壇の前には、香炉、燭台、花立てを配置します。これらを「三具足(みつぐそく)」といいます。香炉は中央、燭台は香炉の両側、花立ては燭台の外側に置くのが基本です。花は常に新鮮なものを供えましょう。

2. 位牌の種類と配置

曹洞宗の位牌は、特に厳格な決まりはなく、比較的自由に選べます。形や大きさも好みに合わせて良いとされています。

位牌は仏壇の向かって右側、つまり上座に置きます。複数の位牌がある場合は、亡くなった順に並べます。古い位牌ほど中央寄りに配置するのが一般的です。

四十九日までは白木の仮位牌を使い、四十九日法要で本位牌に魂を移します。この儀式を「開眼法要」または「入魂式」といいます。白木の位牌は寺院に納めて処分してもらいます。

3. 仏具の並べ方

曹洞宗の仏壇では、基本的な仏具の配置が決まっています。最前列の中央に香炉、その両脇に燭台を置きます。

花立ては燭台の外側、または二列目に配置します。茶湯器(お茶やお水を入れる器)と仏飯器(ご飯を盛る器)は、仏様の前に供えます。りん(鐘)は仏壇の手前、お参りしやすい位置に置きます。

毎日のお参りでは、ご飯とお茶を供え、線香を上げます。お参りが終わったら、ご飯とお茶は下げて家族でいただきましょう。仏様に供えたものをいただくことで、功徳を分けてもらうという意味があります。

曹洞宗の法事・法要

法事は故人を供養する大切な儀式です。曹洞宗の法要の流れや、どのタイミングで何を行うかを知っておきましょう。

1. 四十九日までの流れ

仏教では、亡くなってから四十九日間を「中陰」といいます。この間、故人は7日ごとに閻魔様の裁きを受けると考えられています。

本来は7日ごとに法要を行います。初七日(7日目)、二七日(14日目)、三七日(21日目)、四七日(28日目)、五七日(35日目)、六七日(42日目)、七七日(49日目)という流れです。最後の七七日が四十九日法要にあたります。

ただし、現代では初七日は葬儀と同日に行い、その後の法要は省略して四十九日法要のみを行うのが一般的です。遠方から集まる親族の負担を考えると、現実的な対応といえるでしょう。

四十九日法要では、僧侶による読経、焼香、法話が行われます。所要時間は1時間から1時間半程度です。この日に納骨を行うことも多く、その場合は法要後に墓地や納骨堂へ移動します。法要と納骨が終わったら、参列者に会食(お斎)を振る舞います。

2. 年忌法要の数え方

四十九日を過ぎると、次は年忌法要を行います。一周忌は亡くなってから満1年目に行います。命日の当日または直前の休日に行うのが一般的です。

三回忌は満2年目、七回忌は満6年目というように数えます。三回忌以降は「亡くなった年をプラス1年として数える」ため、注意が必要です。十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌と続きます。

三十三回忌または五十回忌で「弔い上げ」として、法要を終えることが多いです。これ以降は先祖全体を供養する形になります。ただし、地域や家によって考え方は異なるので、菩提寺に相談すると良いでしょう。

3. お布施の相場

法要のお布施は、地域や寺院によって異なります。四十九日法要では3万円から5万円が一般的な相場です。

一周忌も同様に3万円から5万円、三回忌以降は1万円から3万円程度とされています。ただし、これはあくまで目安です。普段から菩提寺とお付き合いがある場合は、直接尋ねても失礼にはなりません。

お布施は白い封筒に入れて渡します。表書きは「御布施」とし、裏面に住所と氏名を書きます。法要が始まる前、または終わった後に、手渡しするのがマナーです。お盆や小さなお盆に乗せて渡すと、より丁寧な印象になります。

まとめ

曹洞宗は只管打坐を中心とした禅宗で、日常生活そのものを修行と捉える教えです。葬儀では独特の儀式があり、焼香は2回(1回目は押し頂く)というマナーも覚えておくと安心です。

もし曹洞宗の葬儀や法事に参列する機会があれば、今回紹介した内容を思い出していただけたらと思います。宗派の違いを知ることで、故人への供養の気持ちもより深まるのではないでしょうか。わからないことがあれば、遠慮せずに菩提寺に尋ねてみるのも良いでしょう。曹洞宗の教えに触れることで、忙しい日常の中でふと立ち止まり、心を整える時間が持てるかもしれませんね。

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