葬儀の知識

臨済宗の葬儀はどう行う?マナーや作法とお布施の金額や費用を解説!

終活のトリセツ

「臨済宗の葬儀に初めて参列することになったけれど、どんな流れで進むのか不安」という経験はありませんか?

禅宗の一つである臨済宗の葬儀には、他の宗派にはない独特な儀式がいくつも存在します。僧侶が「喝!」と叫んだり、太鼓が打ち鳴らされたりと、初めて目にすると驚くような場面もあるかもしれません。

でも安心してください。基本的なマナーや流れを知っておけば、落ち着いて参列できます。ここでは、臨済宗の葬儀の特徴や作法、焼香のやり方、そしてお布施の相場まで、知っておきたいポイントをわかりやすく紹介していきます。

臨済宗ってどんな宗派なの?

臨済宗がどういう考え方を持つ宗派なのかを知ると、葬儀の儀式の意味も理解しやすくなります。まずは臨済宗の基本から見ていきましょう。

1. 臨済宗の特徴と考え方

臨済宗は禅宗の一つで、「自分と向き合うこと」を大切にする宗派です。座禅を組んで自分の内面を見つめ、悟りを開くことを目指します。

この宗派では、問答や公案(こうあん)という禅問答を通じて、理屈ではなく直感的に真理を掴むことを重視しています。だからこそ、葬儀でも「喝!」と叫ぶような、直接的で力強い表現が用いられるというわけです。

臨済宗のご本尊は釈迦如来ですが、各寺院によって観音菩薩や文殊菩薩を祀っている場合もあります。禅宗らしく、形式よりも心の在り方を大切にする姿勢が特徴的です。

2. 臨済宗の十四派とその違い

臨済宗には、実は十四の派があります。建仁寺派、東福寺派、南禅寺派、妙心寺派、建長寺派、円覚寺派など、それぞれ本山となるお寺の名前がついています。

各派によって細かな作法や儀式の進め方に違いはありますが、基本的な葬儀の流れや考え方は共通しています。授戒・念誦・引導という三つの儀式を中心とする点は、どの派でも変わりません。

もしお寺との付き合いがあるなら、事前にどの派に属するのか確認しておくと、より安心です。地域によっても多少の違いがあるため、わからないことは遠慮せず尋ねてみましょう。

3. 曹洞宗との違いは?

同じ禅宗でも、臨済宗と曹洞宗には違いがあります。一番大きな違いは、悟りへの向き合い方です。

臨済宗は「看話禅(かんなぜん)」といって、公案を用いた問答を通じて一気に悟りを目指します。一方、曹洞宗は「只管打坐(しかんたざ)」といって、ただひたすら座禅を組むことを重視します。

葬儀の場面でも、臨済宗は引導法語で「喝!」と叫んだり、松明を回し投げたりと、動的で力強い儀式が特徴的です。曹洞宗はもう少し静かで、焼香も2回行うなど、作法に違いが見られます。

臨済宗の葬儀はどんな流れで行われる?

臨済宗の葬儀は、授戒・念誦・引導という三つの大きな儀式によって構成されています。それぞれに深い意味があり、故人を仏の弟子として浄土へ送り出すための大切な過程です。

1. 授戒の儀式で仏の弟子になる

葬儀の最初に行われるのが授戒の儀式です。これは、故人に仏門に入るための戒律を授けて、仏の弟子とするための儀式です。

まず剃髪(ていはつ)という作法で、故人の頭を剃る儀式が行われます。といっても、実際に髪を剃るわけではなく、導師がカミソリを当てる仕草をしながら「剃髪の偈(げ)」というお経を唱えます。

次に懺悔文(ざんげもん)を読み上げて、故人の生前の罪や過ちを懺悔します。そして三帰戒文(さんきかいもん)で、仏・法・僧の三宝に帰依することを誓い、三聚浄戒(さんじゅじょうかい)や十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)といった戒律を授かります。

この一連の流れを経て、故人は仏の弟子としての第一歩を踏み出すことになるのです。

2. 念誦でお経を唱える

授戒の次に行われるのが念誦(ねんじゅ)です。これは、臨済宗の経典を唱える儀式のことです。

念誦はいくつかの段階に分かれています。まず入龕諷経(にゅうがんふぎん)で、故人を棺に納める際に「大悲呪(だいひしゅう)」を読み、回向文を唱えます。現代では事前に納棺が済んでいる場合もあります。

続いて龕前念誦(がんぜんねんじゅ)で棺を閉める儀式が行われ、起龕諷経(きがんふぎん)で出棺の儀式へと進みます。そして山頭念誦(さんとうねんじゅ)で、故人の成仏を願う読経が行われます。

それぞれの念誦で唱えられるお経は異なりますが、すべて故人の魂を浄土へ導くためのものです。静かに手を合わせて、心を込めて聞きましょう。

3. 引導で故人を浄土へ送る

葬儀のクライマックスとも言えるのが引導の儀式です。これは、仏性に目覚めて仏の弟子となった故人を、仏の世界へと導くための最も重要な儀式です。

導師が引導法語(いんどうほうご)を唱え、故人に最後の教えを説きます。そしてこの法語の最後に、導師が力強く「喝!」と一喝するのが、臨済宗の葬儀で最も印象的な場面です。

この「喝」には、故人の迷いを断ち切り、悟りの世界へと送り出す意味が込められています。禅宗らしい直接的で力強い表現に、初めて参列した人は驚くかもしれません。

引導の後、参列者による焼香が行われ、最後に出棺となります。焼香の際には「観音経」や「大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)」などの経文が唱えられます。

4. 焼香と出棺の流れ

引導の儀式が終わると、いよいよ焼香の時間です。故人と関係が深い方から順に、喪主、遺族、親族、そして参列者へと続きます。

順番が来たら席を立ち、静かに香炉の前へ進みましょう。合掌・礼拝をしてから、お香をつまんで香炉にくべます。臨済宗では一般的に焼香は1回だけで、お香を額に押しいただかないのが作法です。

すべての参列者の焼香が終わると、導師が退場し、その後出棺となります。故人との最後のお別れの時間を、心静かに過ごしてください。

儀式の流れ内容
導師入場僧侶が入場し葬儀が始まる
授戒剃髪・懺悔文・三帰戒文などを経て故人を仏の弟子にする
念誦入龕諷経・龕前念誦・起龕諷経・山頭念誦でお経を唱える
引導引導法語を唱え「喝!」と一喝して故人を浄土へ送る
焼香参列者が順に焼香を行う
出棺故人を送り出す

臨済宗の葬儀で行われる独特の儀式とは?

臨済宗の葬儀には、他の宗派ではあまり見られない独特な儀式がいくつもあります。これらの儀式には、それぞれ深い意味が込められています。

1. 「喝!」と叫ぶ引導法語の意味

臨済宗の葬儀で最も印象的なのが、導師が「喝!」と叫ぶ場面です。この一喝は、引導法語の最後に行われます。

「喝」は禅宗の修行の中でよく使われる表現で、弟子の迷いや執着を断ち切るために師匠が発する言葉です。葬儀の場面では、故人の迷いを一気に吹き飛ばし、悟りの世界へと導く意味があります。

この力強い一喝によって、故人は煩悩から解放され、仏の世界へと旅立つとされています。禅宗らしい直接的で即座的な教えの形が、ここに表れているのです。

初めて聞くと驚くかもしれませんが、これは故人への最後の大切な教えなのだと理解すると、その重みが感じられるのではないでしょうか。

2. 太鼓やシンバルを打ち鳴らす理由

臨済宗の葬儀では、太鼓やシンバルのような楽器を打ち鳴らすことがあります。これも他の宗派ではあまり見られない特徴です。

これらの楽器は、仏の世界へと向かう故人の道を清め、邪気を払う意味があります。また、音を鳴らすことで、故人の魂を目覚めさせ、浄土への道を示すという意味も込められています。

地域や寺院によって使われる楽器や鳴らし方は異なりますが、いずれも故人を送り出すための大切な儀式の一部です。静かな葬儀を想像していると驚くかもしれませんが、これが臨済宗の伝統的な作法なのです。

3. 松明を回し投げる儀式

引導の儀式の中で、導師が松明(たいまつ)を振り回したり、投げたりする所作を行うことがあります。これも臨済宗の特徴的な儀式の一つです。

松明は、故人が仏の世界へ向かう道を照らす灯りを象徴しています。導師が松明を振り回す動作は、暗闇を照らし、故人に進むべき道を示す意味があります。

この儀式も、禅宗らしい動的で力強い表現の一つです。故人への最後の思いを、言葉だけでなく所作で表現する臨済宗ならではの作法と言えるでしょう。

臨済宗の葬儀で知っておきたいマナーと作法

臨済宗の葬儀に参列する際には、いくつか知っておきたいマナーがあります。基本的なことを押さえておけば、安心して参列できます。

1. 焼香は何回行うの?

臨済宗の焼香は、一般的に1回だけ行います。これは曹洞宗が2回行うのとは異なる点です。

ただし、地域や寺院によっては回数が異なる場合もあるため、前の人の様子を見て合わせるのが無難です。わからない場合は、1回で問題ありません。

焼香の回数には、それぞれの宗派の教えが反映されています。臨済宗では「一心に帰命する」という意味から、1回の焼香が基本とされています。

宗派焼香回数
臨済宗1回
曹洞宗2回
真言宗3回
浄土宗1~3回

2. お香を額にいただく?いただかない?

臨済宗では、お香を額に押しいただかないのが一般的な作法です。お香をつまんだら、そのまま香炉にくべます。

他の宗派では、お香を額の高さまで持ち上げて一礼してから香炉に入れることが多いのですが、臨済宗ではこの動作を省略します。シンプルで素朴な作法が特徴です。

焼香台の前に進んだら、まず遺影に向かって合掌・礼拝します。次に右手でお香をつまみ、そのまま香炉にくべて、もう一度合掌・礼拝してから席に戻ります。

焦らず落ち着いて行えば大丈夫です。前の人の動作を参考にしながら、心を込めて故人を偲びましょう。

3. 数珠の持ち方と種類

臨済宗では、数珠として「看経念珠(かんきんねんじゅ)」を用いるのが一般的です。これは親玉1個と108個の珠でできた数珠です。

持ち方としては、房が下に来るようにして左手にかけ、右手を添えて合掌します。焼香の際も、左手に数珠をかけたまま行います。

もし臨済宗用の数珠を持っていなくても、宗派を問わない略式の数珠で構いません。大切なのは、故人を偲ぶ気持ちを形にすることです。

数珠は仏教徒としての大切な法具ですので、丁寧に扱いましょう。使わないときは袱紗に包んで持ち歩くと良いです。

4. 線香は何本立てる?

臨済宗では、線香は通常1本立てるのが作法です。これも焼香と同じく、「一心」を表しています。

線香に火をつける際は、ロウソクから火を移します。もし火が強すぎる場合は、口で吹き消すのではなく、手であおいで消すのがマナーです。

線香立てに立てるときは、香炉の中央に垂直に立てます。複数の人が立てる場合は、少しずつずらして立てると良いでしょう。

お墓参りの際も、基本的に1本が正式な作法ですが、地域や家によっては複数本立てる習慣もあります。その場で確認すると安心です。

臨済宗の葬儀に参列するときの服装と持ち物

葬儀に参列する際の服装や持ち物は、宗派に関わらず基本的なマナーは共通しています。ここでは改めて確認しておきましょう。

1. 男性の服装マナー

男性の正式な喪服は、黒のブラックスーツです。シングルでもダブルでも構いませんが、光沢のない無地のものを選びましょう。

ワイシャツは白無地で、レギュラーカラーまたはワイドカラーが基本です。ネクタイは黒無地で、ネクタイピンは付けません。靴下も黒で、靴は光沢のない黒の革靴を選びます。

ベルトも黒で、金具が目立たないシンプルなものを。時計も派手なものは避け、できればシンプルなデザインを選びましょう。

冬場はコートを着用しますが、会場に入る前に脱ぐのがマナーです。毛皮や革のコートは殺生を連想させるため避けましょう。

2. 女性の服装マナー

女性の正式な喪服は、黒のワンピースやアンサンブル、スーツです。スカート丈は膝が隠れる程度が適切です。

肌の露出は控えめにし、夏でも半袖か五分袖を選びます。ストッキングは黒で、靴はヒールが高すぎない黒のパンプスが基本です。

アクセサリーは結婚指輪以外は基本的に避けますが、真珠や黒曜石のネックレス程度なら問題ありません。ただし、二連のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため避けましょう。

髪が長い場合は、黒のゴムやピンでまとめると清潔感があります。化粧も控えめにし、マニキュアは落とすか透明なものにしましょう。

3. 持っていくべき持ち物

葬儀に参列する際の基本的な持ち物は、香典、袱紗、数珠、ハンカチです。これらは必ず準備しましょう。

香典は袱紗に包んで持参します。袱紗の色は紺、グレー、緑などの寒色系が葬儀に適しています。受付で渡す際は、袱紗から取り出してお渡しします。

数珠は忘れがちですが、仏教徒としての大切な法具です。持っていない場合は、葬儀社で借りられることもあります。ハンカチは白か黒の無地のものを用意しましょう。

その他、必要に応じて予備のストッキングや化粧直しの道具を持っていくと安心です。バッグは黒の布製で、光沢のないものを選びます。

臨済宗の香典はどう書けばいい?

香典の表書きは宗派によって異なる場合がありますが、臨済宗では一般的な仏教の作法に従います。

1. 四十九日までは「御霊前」

臨済宗では、四十九日法要までは「御霊前」と書くのが一般的です。これは、故人の魂がまだこの世とあの世の間にいると考えられているためです。

「御霊前」のほかに、「御香典」「御香料」といった表書きも使えます。いずれも仏教の葬儀で広く使われる表現です。

表書きは毛筆または筆ペンで書くのが正式ですが、サインペンでも構いません。ボールペンや万年筆は避けましょう。

2. 四十九日以降は「御仏前」

四十九日法要を過ぎると、故人は仏になったとされるため、表書きは「御仏前」に変わります。法事に参列する際は、この点に注意しましょう。

ただし、浄土真宗では亡くなった直後から「御仏前」を使います。臨済宗では四十九日が境目になるという点を覚えておくと良いです。

一周忌や三回忌などの年忌法要でも「御仏前」を使います。もし迷った場合は、「御供物料」という表書きなら、どの時期でも使えます。

3. 薄墨で書くのがマナー

香典の表書きは、薄墨で書くのが伝統的なマナーです。これは「悲しみの涙で墨が薄まった」という意味が込められています。

最近では薄墨にこだわらず、普通の濃さの墨で書いても問題ないとされています。薄墨の筆ペンも市販されているので、そちらを使うと便利です。

下段には自分の名前をフルネームで書きます。夫婦で参列する場合は夫の名前だけで構いませんが、連名にする場合は夫の名前を中央に、妻の名前をその左に書きます。

会社関係で複数人の連名にする場合は、3名までなら全員の名前を書き、4名以上の場合は代表者の名前と「外一同」と書いて、別紙に全員の名前を記載して中に入れます。

臨済宗のお布施の金額相場はどのくらい?

お布施は僧侶への感謝の気持ちを表すものですが、金額に悩む方も多いです。ここでは臨済宗のお布施の相場を見ていきましょう。

1. 葬儀・告別式のお布施は15万円〜50万円

臨済宗の葬儀におけるお布施の相場は、一般的に15万円から50万円程度です。これには読経料が含まれています。

この金額の幅は、地域や寺院との関係性、葬儀の規模によって変わります。都市部では高めに、地方では低めになる傾向があります。

菩提寺(お付き合いのあるお寺)がある場合は、そちらの慣習に従うのが基本です。わからない場合は、葬儀社に相場を聞いてみるのも一つの方法です。

金額に決まりはありませんが、あまりに少なすぎると失礼にあたる可能性があります。迷ったら、地域の平均的な相場に合わせるのが無難でしょう。

2. 読経料・御車料・御膳料の内訳

お布施として渡す金額には、いくつかの項目が含まれています。それぞれの意味を理解しておきましょう。

読経料は、葬儀でお経を唱えていただいた謝礼です。これがお布施のメインとなります。金額は前述の通り、15万円から50万円程度が相場です。

御車料は、僧侶に会場まで来ていただく交通費です。相場は5,000円から1万円程度で、別の封筒に入れて渡します。ただし、寺院が送迎を手配した場合は不要です。

御膳料は、葬儀後の会食を僧侶が辞退された場合に渡すものです。相場は5,000円から1万円程度で、こちらも別の封筒に入れます。会食に参加していただいた場合は不要です。

項目金額相場タイミング
読経料(お布施)15万円~50万円葬儀終了後
御車料5,000円~1万円葬儀終了後(送迎なしの場合)
御膳料5,000円~1万円葬儀終了後(会食辞退の場合)

3. お布施の金額が変わる3つの要素

お布施の金額は、いくつかの要素によって変動します。一つ目は、菩提寺との関係性です。代々お世話になっているお寺なら、相場より多めに包むのが一般的です。

二つ目は、葬儀の規模です。参列者が多い大規模な葬儀や、複数の僧侶に来ていただく場合は、金額も上がります。家族葬のような小規模な葬儀では、相場の下限に近い金額で問題ないでしょう。

三つ目は、戒名の位です。戒名のランクによって、お布施の金額が変わることがあります。この点については、次のセクションで詳しく見ていきます。

4. 地域による相場の違い

お布施の金額は、地域によってもかなり差があります。東京や大阪などの都市部では、相場が高めになる傾向があります。

全国平均では、葬儀のお布施は約47万円という調査結果もあります。しかし、これはあくまで平均で、実際には20万円程度から80万円以上まで幅広いです。

地方では都市部より低めの相場になることが多く、15万円から30万円程度で済む場合もあります。その地域の慣習に従うのが最も適切です。

もし金額で悩んだら、地元の葬儀社や親族に相談するのが確実です。地域の実情を知っている人からアドバイスをもらえば、適切な金額を判断できるでしょう。

臨済宗の戒名料はいくらかかる?

戒名は故人が仏の弟子となった証として授けられる名前です。戒名料もお布施とは別に必要になる場合があります。

1. 戒名の構成と種類

臨済宗の戒名は、通常「院号」「道号」「戒名」「位号」の四つの部分で構成されています。ただし、すべてが必ず含まれるわけではありません。

院号は最も格が高い称号で、寺院への貢献が大きかった方や社会的地位の高い方に授けられます。道号は修行の道を歩んだことを示す称号です。

戒名本体は、故人の人柄や生前の行いを表す2文字で構成されます。位号は、戒名の最後に付けられる敬称のようなもので、「信士」「信女」「居士」「大姉」などがあります。

これらの組み合わせによって、戒名の格が決まり、それに応じて戒名料も変わってきます。

2. 位号ごとの戒名料の相場

戒名料は、授けられる位号によって大きく異なります。最も一般的な「信士」「信女」の場合、相場は30万円から50万円程度です。

「居士」「大姉」になると、相場は50万円から70万円程度に上がります。これは信士・信女より一段階上の位号です。

さらに上の「院信士」「院信女」では70万円から100万円程度、「院居士」「院大姉」では100万円以上になることもあります。

位号戒名料の相場
信士・信女30万円~50万円
居士・大姉50万円~70万円
院信士・院信女70万円~100万円
院居士・院大姉100万円以上

3. 院号をつける場合の費用

院号を付けると、戒名料は大幅に上がります。院号は、寺院の建立や修復に大きく貢献した方、または社会的に功績のあった方に授けられる最上位の称号です。

院号付きの戒名料は、最低でも70万円から、場合によっては100万円を超えることもあります。菩提寺との関係性によって、金額は大きく変動します。

ただし、院号は必ずしも必要というわけではありません。一般の方は信士・信女や居士・大姉で十分です。無理に高い位号を求める必要はありません。

戒名料は、お布施とは別の封筒に入れて渡すのが一般的です。表書きは「戒名料」または「御布施」とします。

臨済宗の葬儀にかかる費用の総額は?

葬儀全体でかかる費用は、お布施だけではありません。全体像を把握しておくと、予算の計画が立てやすくなります。

1. 葬儀費用全体の平均金額

日本の葬儀費用の全国平均は、約120万円から200万円程度と言われています。これには葬儀社への支払い、お布施、飲食接待費などが含まれます。

葬儀社への支払いには、祭壇、棺、霊柩車、会場費、人件費などが含まれます。これが全体の半分以上を占めることが多いです。

お布施と戒名料を合わせると、50万円から100万円程度になることが多いでしょう。これに飲食接待費が加わります。

ただし、近年は家族葬や直葬など、規模を抑えた葬儀も増えています。そうした場合は、50万円から80万円程度で済むこともあります。

2. お布施以外にかかる費用

葬儀社への基本料金には、祭壇のレンタル、棺、骨壺、霊柩車、ドライアイス、会場費などが含まれます。相場は50万円から100万円程度です。

遺影写真の作成、会葬礼状の印刷、受付用品などの細かい費用も積み重なります。これらは葬儀社のプランに含まれている場合もあれば、別途請求される場合もあります。

飲食接待費は、通夜振る舞いや精進落としの料理代です。参列者の人数によって変動しますが、1人あたり3,000円から5,000円程度が相場です。

香典返しも忘れてはいけません。いただいた香典の半額から3分の1程度の品物を用意するのが一般的です。これも参列者の人数によって総額が変わります。

3. 初七日や四十九日の費用

葬儀が終わっても、その後の法要にも費用がかかります。初七日法要は、最近では葬儀当日に繰り上げて行うことが多くなっています。

初七日法要のお布施は、3万円から5万円程度が相場です。四十九日法要では、5万円から10万円程度になります。

これらの法要でも、僧侶に来ていただく場合は御車料が必要です。また、法要後に会食を行う場合は、その費用も見込んでおきましょう。

一周忌、三回忌と続く年忌法要でも、同様にお布施が必要になります。長期的な視点で、予算を考えておくことが大切です。

臨済宗の葬儀でよくある疑問

初めて臨済宗の葬儀に関わる方から、よく寄せられる疑問にお答えします。

1. 他の宗派の人が参列しても大丈夫?

他の宗派の方や、仏教徒でない方が臨済宗の葬儀に参列しても、まったく問題ありません。故人を偲ぶ気持ちがあれば、宗派は関係ないのです。

焼香の作法が自分の宗派と異なっていても、その場の作法に従えば大丈夫です。わからなければ、前の人の動作を見て同じようにすれば問題ありません。

キリスト教や神道の方でも、仏教式の葬儀に参列することは珍しくありません。大切なのは、故人への敬意と遺族への思いやりです。

数珠を持っていない場合は、持たなくても構いません。合掌するだけでも、十分に気持ちは伝わります。

2. 葬儀中に注意すべきことは?

葬儀中は、私語を慎み、静かに参列しましょう。スマートフォンは必ず電源を切るか、マナーモードに設定しておきます。

「喝!」と叫ぶ場面や、太鼓が鳴らされる場面で驚いても、声を出したり動揺したりしないようにしましょう。これらは臨済宗の大切な儀式の一部です。

写真撮影は基本的に控えるべきです。どうしても必要な場合は、事前に遺族の許可を得ましょう。SNSへの投稿も慎重に判断してください。

遅刻は厳禁ですが、もし遅れてしまった場合は、会場の後方から静かに入り、目立たないように着席します。焼香は最後に回らせてもらいましょう。

3. お寺との付き合いがない場合はどうする?

菩提寺がない場合でも、葬儀社に相談すれば僧侶を紹介してもらえます。最近では僧侶派遣サービスもあり、お布施の金額も明確に提示されることが多いです。

ただし、後々のことを考えると、できれば地元の臨済宗のお寺に相談するのが望ましいです。法事や年忌法要のことも含めて、長いお付き合いができるかもしれません。

お寺に直接連絡するのが気後れする場合は、親族や知人に相談してみましょう。地域の情報に詳しい方からの紹介なら、安心してお願いできます。

宗派にこだわりがない場合は、無宗教葬や自由葬という選択肢もあります。しかし故人が臨済宗を信仰していた場合は、その教えに沿った葬儀を行うのが最も適切でしょう。

まとめ

臨済宗の葬儀は、授戒・念誦・引導という三つの儀式を通じて、故人を仏の弟子として浄土へ送り出します。「喝!」と叫ぶ引導法語や、太鼓を打ち鳴らす儀式など、禅宗らしい力強い表現が特徴的です。

焼香は1回だけで、お香を額に押しいただかないのが基本的な作法です。お布施の相場は15万円から50万円程度で、戒名料を含めると総額はさらに上がります。

初めて参列する方も、基本的なマナーを押さえておけば大丈夫です。わからないことがあれば、遠慮せず葬儀社や親族に尋ねましょう。大切なのは、故人を偲ぶ心と遺族への思いやりです。葬儀の形式や作法も大切ですが、何よりも心を込めてお別れすることが、故人への最後の贈り物になるのではないでしょうか。

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