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喪中でもおせちやお雑煮は食べていい?宗派ごとの考え方を解説!

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「今年は喪中だけど、お正月におせちは食べていいのかな?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

家族を亡くした直後のお正月は、何をどこまで控えるべきか迷いますよね。おせち料理はお祝いの料理だから避けるべきという意見もあれば、家族で静かにいただくなら問題ないという声もあります。実は喪中におけるおせちの扱いは、宗派や地域、忌中かどうかによっても変わってくるようです。ここでは喪中のお正月におせちやお雑煮を食べてもよいのか、その判断基準と気をつけたいポイントを詳しく紹介します。

喪中におせちやお雑煮は食べていいの?

喪中のお正月におせち料理を食べるかどうかは、多くの方が迷うポイントです。基本的な考え方を知っておくと、自分の家庭に合った判断ができるはずです。

1. 基本的には控えるのが一般的な考え方です

おせち料理は新年を祝う特別な料理として、古くから日本の家庭で親しまれてきました。鯛や海老、紅白のかまぼこといった縁起物の食材が使われていて、重箱に美しく詰められる姿そのものがお祝いの象徴になっています。そのため、故人を偲んで身を慎む喪中の期間には、おせちを食べない方がよいという考え方が一般的です。

特に四十九日法要までの忌中の期間は、お祝い事を控える意識が強くなります。この時期におせちを食べることは避けた方が無難でしょう。おせちに込められた「めでたさ」や「華やかさ」が、喪に服する姿勢とは合わないと感じる方が多いようです。

ただし、これはあくまで一般的な慣習の話です。絶対的なルールではないので、家族の気持ちや状況に合わせて考えてもよいと思います。大切なのは故人への敬意を忘れないことではないでしょうか。

2. 忌中を過ぎれば食べてもよいという考え方もあります

喪中と忌中は似ているようで、実は意味が異なります。忌中とは四十九日(神道では五十日祭)までの期間を指し、この間は特に慎ましく過ごすべきとされています。一方、喪中は一周忌までの約1年間を指すことが多いです。

忌明け後の喪中期間であれば、お祝いの意味を持つ食材を避けて、普段使っているお皿に盛り付けるなど工夫をすれば、おせち料理を食べても問題ないという考え方もあります。重箱を使わず、祝箸を避け、お屠蘇も飲まないようにすることで、「お祝い」ではなく「普段の食事」として位置づけることができるわけです。

実際、忌明け後は少しずつ日常に戻っていく時期でもあります。家族で話し合って、故人への敬意を保ちながら食事を楽しむ形を選ぶのも一つの方法かもしれません。

3. 宗派によっては問題ないとされています

意外に思われるかもしれませんが、宗派によってはそもそも喪中という概念がない場合もあります。たとえば浄土真宗では、亡くなった方はすぐに極楽浄土に往生するという教えがあるため、喪中の考え方自体がありません。

キリスト教も同様に、喪中という習慣はないようです。また真言宗や浄土宗では、お祝いの意味を込めずに普段の食事として食べるのであれば問題ないとされています。

このように宗教や宗派によって考え方が大きく異なるので、ご自身や故人の信仰を確認してみるとよいでしょう。迷ったときは菩提寺や神社に相談するのもおすすめです。

そもそも喪中と忌中の違いとは?

喪中と忌中という言葉はよく聞くものの、その違いをきちんと理解している方は少ないかもしれません。この二つの期間の違いを知っておくと、お正月の過ごし方を判断しやすくなります。

1. 喪中は一周忌までの約1年間を指します

喪中とは、身内が亡くなってから喪に服する期間のことです。一般的には一周忌までの約1年間を指すことが多いですが、故人との関係性によって期間が変わることもあります。

たとえば両親や配偶者が亡くなった場合は1年間、祖父母や兄弟姉妹の場合は3ヶ月から6ヶ月程度とされることもあるようです。この期間は地域や家庭の慣習によっても異なるので、親族と相談して決めるのがよいでしょう。

喪中の間は派手な行動やお祝い事を控えて、故人を偲びながら静かに過ごす期間とされています。年賀状を出さずに喪中はがきを送るのも、この喪中の慣習の一つです。

2. 忌中は四十九日(神道は五十日)までの期間です

忌中は喪中よりもさらに短い期間で、仏教では四十九日法要まで、神道では五十日祭までを指します。この期間は故人の魂がまだこの世とあの世の間をさまよっている時期と考えられているため、特に慎ましく過ごすべきとされています。

忌中の間は外出も最小限にして、できるだけ家で故人を偲ぶ時間を大切にするのが望ましいとされてきました。現代では仕事などもあるので昔ほど厳格ではありませんが、お祝い事への参加は避けるのが一般的です。

忌明けの法要が終わると、少しずつ日常生活に戻っていく節目になります。とはいえ喪中は続くので、引き続き派手な行動は控える方が多いようです。

3. 忌中は特に行動を慎むべき期間とされています

忌中と喪中の最も大きな違いは、行動を慎む度合いです。忌中はより厳格に過ごすべき期間とされていて、たとえば神社への参拝も控えるのがマナーとされています。神道では死を穢れと考えるため、忌中の間は神社への立ち入りを避けるべきという考え方があるのです。

お寺への参拝は問題ありませんが、結婚式などの慶事への出席は断るのが一般的です。また初詣も忌明け後にするのがよいでしょう。

喪中の場合は忌中ほど厳格ではなく、結婚式などへの出席も場合によっては可能とされています。ただし自分から進んでお祝い事を企画したり、派手な振る舞いをしたりするのは避けた方がよいかもしれません。

喪中におせちを食べていいか判断する2つの基準

おせちを食べるかどうか悩んだときに、どのような基準で判断すればよいのでしょうか。主に2つの考え方があります。

1. 伝統的な慣習にのっとって判断する方法

日本の伝統的な慣習では、喪中の期間はお祝い事を控えるのが基本とされています。おせち料理は新年を祝う料理なので、この考え方に従えば喪中には避けるべきということになります。

特に忌中の期間は、おせちを食べることは控えた方がよいでしょう。四十九日法要を終えて忌明けした後であれば、少し柔軟に考えることもできるかもしれません。

地域によっても考え方が異なることがあるので、年配の親族や地域の風習に詳しい方に相談してみるのもよい方法です。周囲の目も気になる場合は、慣習に従っておく方が安心かもしれません。

2. 信仰している宗教や宗派の考え方で判断する方法

先ほども触れたように、宗教や宗派によって喪中の考え方は大きく異なります。浄土真宗やキリスト教のように、そもそも喪中という概念がない場合もあるのです。

ご自身や故人が信仰している宗教の教えを基準に判断するのも一つの方法でしょう。菩提寺のお坊さんや神社の神職さんに相談すれば、より具体的なアドバイスをもらえるはずです。

宗教的な教えを大切にしている家庭であれば、この基準で判断する方が納得感があるかもしれません。形式的な慣習よりも、信仰に基づいた判断を優先するという考え方です。

3. 故人との関係性や家族の気持ちも大切な判断材料です

最終的には、故人との関係性や家族の気持ちも大切な判断材料になります。故人が生前おせち料理を楽しみにしていたのであれば、故人を偲びながら静かにいただくという選択もあるでしょう。

家族の中で意見が分かれることもあるかもしれません。そんなときはよく話し合って、みんなが納得できる形を探すことが大切です。無理に伝統に縛られすぎる必要はありませんが、誰かの気持ちを無視するのもよくないでしょう。

「故人だったらどう思うだろう」と考えてみるのも一つの方法かもしれません。故人への敬意を忘れずに、家族が穏やかに過ごせる選択をすることが何より大切ではないでしょうか。

宗派によって考え方が違うことを知っておきましょう

仏教やキリスト教など、宗教によって死や喪の捉え方は大きく異なります。おせちを食べるかどうかを判断する前に、宗派ごとの考え方を知っておくとよいでしょう。

1. 浄土真宗では喪中の概念がありません

浄土真宗は他の宗派とは異なる独特の考え方を持っています。亡くなった方は阿弥陀如来の力によってすぐに極楽浄土へ往生するという教えがあるため、そもそも喪に服するという概念がないのです。

そのため浄土真宗の信徒であれば、喪中であってもおせち料理を食べることに問題はありません。お正月のお祝いをすることも特に禁止されていないようです。

ただし、周囲の人が喪中を気にしている場合もあるので、状況に応じて配慮することは大切かもしれません。宗教的には問題なくても、社会的な慣習を完全に無視するのは難しい場合もあるでしょう。

2. キリスト教も同様に喪中という考え方はありません

キリスト教にも、日本の喪中のような習慣はありません。死は終わりではなく、神のもとへ召されることだと考えられているため、悲しみはあっても喪に服するという概念がないのです。

そのためキリスト教徒の方であれば、お正月におせちを食べることに宗教的な問題はないでしょう。むしろ家族が集まって食事を楽しむことは、キリスト教的にも大切な時間とされています。

ただし日本で暮らしている以上、周囲の慣習に配慮することも必要かもしれません。特に親族の中に仏教徒の方がいる場合は、話し合って決めるのがよいでしょう。

3. 真言宗や浄土宗は普段の食事としてなら問題ないとされています

真言宗や浄土宗では、喪中の期間はお祝い事を控えるべきという考え方がありますが、絶対的な禁止ではありません。お祝いの意味を込めずに、普段の食事として食べるのであれば問題ないとされているようです。

つまり重箱に詰めて華やかに盛り付けるのではなく、普段使っているお皿に盛り付けて、静かにいただくという形であれば許容されるということです。祝箸を使わない、お屠蘇を飲まないといった配慮も大切になります。

このように「形式」と「意味づけ」を変えることで、喪中でもおせち料理を楽しむことができる宗派もあるわけです。自分の家の宗派がどのような考え方なのか、確認してみるとよいでしょう。

どうしても食べたい場合の5つの注意点

忌明け後の喪中期間で、どうしてもおせち料理を食べたいという場合は、以下の点に注意すれば問題ないとされています。

1. 重箱は使わず普通のお皿に盛り付けましょう

おせち料理の重箱には「福が重なる」という意味が込められています。この縁起の良さが喪中にはふさわしくないため、重箱の使用は避けた方がよいでしょう。

代わりに普段使っている白いお皿や、シンプルな器に盛り付けることで、お祝いの雰囲気を抑えることができます。見た目も華やかすぎないように、盛り付け方にも配慮するとよいかもしれません。

一つのお皿に少しずつ盛り付けるのではなく、小鉢に分けて出すのも一つの方法です。こうすることで「おせち料理」というよりも「普段のおかず」という印象になるでしょう。

2. お屠蘇(おとそ)は控えるか夜だけにしましょう

お屠蘇は新年を祝うお酒として、おせちと一緒に飲まれることが多いですよね。しかし喪中の期間は、このお屠蘇も控えるのがマナーとされています。

どうしてもお酒を飲みたい場合は、お屠蘇ではなく普通の日本酒やビールなどにしましょう。また朝から飲むのではなく、夕食時に少量だけいただくという形にすると、お祝いのイメージが薄くなります。

お酒を飲む際も、「新年おめでとう」といった祝いの言葉は避けて、静かに食事を楽しむ雰囲気を大切にするとよいでしょう。

3. 少人数で静かに食べるようにしましょう

喪中のお正月は、大勢で賑やかに集まるのではなく、家族だけで静かに過ごすのが基本です。おせち料理を食べる場合も、同じように少人数で落ち着いた雰囲気で食べることを心がけましょう。

親戚を大勢呼んで新年会のような形にするのは避けた方がよいかもしれません。あくまで家族だけで、故人を偲びながら静かに食事をいただくという姿勢が大切です。

テレビをつけて賑やかに過ごすのではなく、故人の思い出話をしながら穏やかに食事を楽しむのがよいのではないでしょうか。

4. 祝箸や金箔の使用は避けましょう

祝箸は両端が細くなった特別なお箸で、お正月やお祝いの席で使われます。喪中のおせちには、この祝箸は使わずに普段使っている箸を使いましょう。

また栗きんとんに金箔をのせたり、料理を金色の飾りで彩ったりするのも避けた方がよいでしょう。金色は豪華さやお祝いのイメージが強いため、喪中には控えめにする方が無難です。

シンプルな盛り付けと、普段通りの食器を使うことで、「お祝い」ではなく「普段の食事」として位置づけることができます。

5. お祝いの意味を持つ食材は取り除きましょう

おせち料理の中には、特にお祝いの意味が強い食材があります。これらは喪中のおせちからは取り除くか、別の食材に置き換えるとよいでしょう。次のセクションで詳しく説明します。

喪中に避けるべき縁起物の食材とは?

おせち料理には縁起を担いだ食材がたくさん使われています。喪中におせちを食べる場合は、これらの食材を避けることが大切です。

1. 紅白のかまぼこや紅白なますは避けましょう

紅白の色合いは日本のお祝い事の象徴です。おせち料理でよく見かける紅白のかまぼこや紅白なますは、まさにお祝いの気持ちを表す食材と言えるでしょう。

喪中のおせちには、この紅白の食材は入れない方がよいとされています。かまぼこを使いたい場合は、白だけのものやピンク色でないものを選ぶとよいかもしれません。

なますも紅白ではなく、大根だけで作ったり、人参の代わりにきゅうりを使ったりする工夫ができます。色味を抑えることで、お祝いのイメージを薄くすることができるでしょう。

2. 鯛は「めでたい」を連想させるので控えましょう

鯛は「めでたい」という語呂合わせから、お祝いの席に欠かせない魚とされています。尾頭付きの鯛は特に縁起が良いとされるため、喪中のおせちには不向きです。

どうしても魚料理を入れたい場合は、鯛以外の魚を選びましょう。鮭やブリなど、お祝いのイメージが薄い魚であれば問題ないとされています。

ただし魚の飾り切りや華やかな盛り付けは避けて、シンプルに焼いたものを用意する方がよいかもしれません。

3. 伊勢海老は長寿の象徴なので避けるべきです

伊勢海老は腰が曲がった姿から「長寿」を象徴する縁起物とされています。またその赤い色と豪華な見た目も、お祝いの雰囲気を強く感じさせる食材です。

喪中のおせちには、伊勢海老は入れない方がよいでしょう。海老を使いたい場合でも、普通の小さな海老をシンプルに調理する程度にとどめるのが無難です。

豪華な食材を避けることも、喪中の心構えの一つと言えるかもしれません。質素で控えめな食事を心がけることが大切です。

4. 昆布は「よろこぶ」に通じるため控えましょう

昆布は「よろこぶ」という語呂合わせから、縁起の良い食材とされています。昆布巻きはおせち料理の定番ですが、喪中には避けた方がよいでしょう。

またお雑煮の出汁に昆布を使うのも、厳密に言えば控えた方がよいかもしれません。かつお節だけで出汁をとるなど、工夫してみるとよいでしょう。

ただし昆布については、それほど厳格に考えなくてもよいという意見もあります。家族で話し合って決めるのがよいかもしれません。

5. 菊花かぶなど縁起の良い飾り切りも避けましょう

飾り切りは料理を華やかに見せる技法ですが、喪中のおせちには向いていません。特に菊の花のように切ったかぶや、ねじり梅のように切った人参などは、お祝いのイメージが強いため避けましょう。

野菜を使う場合は、普通に切って煮物にする程度がよいでしょう。見た目の華やかさよりも、素朴さを大切にすることが喪中の心得です。

盛り付けも控えめにして、色とりどりに飾るのではなく、シンプルに仕上げることを心がけるとよいでしょう。

お雑煮は喪中でも食べて大丈夫です

おせちとは違って、お雑煮は喪中でも食べてよいとされています。その理由を知っておくと安心できるでしょう。

1. お雑煮自体にお祝いの意味はありません

お雑煮は確かにお正月の定番料理ですが、もともとはお祝いの料理というよりも、日常的に食べられてきた料理です。現在では一般的なお正月料理として定着していて、お雑煮そのものに強いお祝いの意味はないとされています。

餅や野菜といった普段の食材を使っているため、日常食の延長と考えることができるわけです。そのため喪中であってもお雑煮を食べることに問題はありません。

ただし具材の選び方には注意が必要です。お雑煮に入れる具材によっては、お祝いのイメージが強くなってしまうこともあります。

2. 具材選びには注意が必要です

お雑煮を作る際は、おせちと同じように縁起物の食材は避けましょう。紅白のかまぼこ、昆布、鯛などは入れない方がよいとされています。

また飾り切りにした人参や、豪華な具材も控えめにするとよいでしょう。シンプルな具材を使って、質素なお雑煮に仕上げることが大切です。

地域によってお雑煮の具材は様々ですが、喪中の場合はいつもより控えめな内容にすることを心がけましょう。

3. シンプルな野菜や鶏肉を使うのがおすすめです

喪中のお雑煮には、大根、人参、里芋、椎茸、小松菜、三つ葉といったシンプルな野菜を使うのがおすすめです。鶏肉を少し入れるのも問題ないでしょう。

餅は普通の白い切り餅を使い、丸餅でも角餅でも構いません。ただし餅を神様へのお供え物と考える場合は、避けた方がよいという意見もあるようです。

出汁は昆布を避けて、かつお節や煮干しで取るとよいでしょう。味付けも控えめにして、静かに新年の食事を楽しむことができます。

喪中でも食べてよい食材を知っておきましょう

おせち料理の中でも、特にお祝いの意味が強くない食材もあります。これらは喪中でも食べて問題ないとされています。

1. 黒豆や栗きんとんは食べても問題ありません

意外に思われるかもしれませんが、黒豆や栗きんとんは喪中でも食べてよいとされています。確かに縁起を担ぐ意味はありますが、紅白や鯛ほどお祝いのイメージが強くないためです。

ただし栗きんとんに金箔をのせたり、豪華に盛り付けたりするのは避けましょう。シンプルに器に入れて、普段のおかずとして食べる分には問題ないでしょう。

黒豆も同様に、普通のお皿に盛り付けて食べれば大丈夫です。甘すぎない味付けにするのもよいかもしれません。

2. 煮しめや筑前煮などの煮物は大丈夫です

煮しめや筑前煮といった煮物は、日常的にも食べられる料理です。喪中のおせちにも問題なく使える料理と言えるでしょう。

ただし飾り切りは避けて、シンプルに切った野菜を使うことが大切です。里芋、人参、ごぼう、れんこん、椎茸、こんにゃくなどを使った素朴な煮物がおすすめです。

味付けも控えめにして、普段の家庭料理として食卓に並べるとよいでしょう。煮物は日持ちもするので、お正月の準備料理としても便利です。

3. 数の子や田作りも特に問題ないとされています

数の子や田作りは「祝い肴三種」の一つとされていますが、喪中でも食べてよいという意見もあります。これらの食材は縁起物ではあるものの、鯛や海老ほど強いお祝いのイメージがないためです。

ただし家族や親族の中で気にする方がいる場合は、避けておく方が無難かもしれません。迷ったときは控えめにしておくのがよいでしょう。

このように、おせち料理の中でも食材によって許容度が異なります。家族で相談しながら決めていくとよいのではないでしょうか。

おせちの代わりになる「ふせち料理」とは?

喪中のお正月に、おせちの代わりとなる特別な料理があることをご存知でしょうか。それが「ふせち料理」です。

1. 精進料理をベースにした喪中用のおせちです

ふせち料理とは、精進料理をベースに作られた喪中用のお正月料理のことです。「御節(おせち)」の「御」を、不祝儀の「不」に変えて「ふせち」と呼ばれるようになったという説があります。

精進料理は肉や魚を使わず、野菜や豆腐などの植物性の食材だけで作る料理です。質素で控えめな内容が、喪中の心構えにぴったり合っているわけです。

だし巻き卵、煮物(里芋、人参、椎茸など)、ごま和え、焼き魚、精進揚げ、酢の物といったメニューが代表的です。どれも素朴で優しい味わいの料理ばかりでしょう。

2. 縁起物の食材を使わずに作られています

ふせち料理の最大の特徴は、お祝いを連想させる縁起物の食材を一切使わないことです。紅白のかまぼこ、鯛、海老、昆布といった華やかな食材は入っていません。

代わりに季節の野菜や豆類、きのこ類などを使って、栄養バランスの取れた料理に仕上げられています。色味も控えめで、見た目も質素な印象になるようです。

ただし味気ないわけではなく、素材の旨味を活かした優しい味わいが楽しめます。喪中だからこそ、こうした料理の良さに気づけるかもしれません。

3. 通販や仕出し店で購入することもできます

ふせち料理は自分で作ることもできますが、最近では通販や仕出し店で購入することもできるようになっています。喪中用のおせちとして販売されていることもあるようです。

年末の忙しい時期に、喪中のための特別な料理を用意するのは大変かもしれません。そんなときは購入することも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ただし地域によっては扱っていないこともあるので、早めに確認しておくとよいでしょう。または精進料理のレシピを参考に、自分で作ってみるのもよい経験になるかもしれません。

おせち以外で喪中のお正月におすすめの料理

おせちやふせち料理以外にも、喪中のお正月に適した料理はいくつかあります。家族の好みに合わせて選んでみてください。

1. 年越しそばは食べても問題ありません

年越しそばは新年を祝う料理ではなく、一年の厄を断ち切るという意味を持つ料理です。そのため喪中であっても食べて問題ないとされています。

むしろ故人を偲びながら、一年を静かに振り返る時間として年越しそばをいただくのもよいのではないでしょうか。家族で故人の思い出話をしながら食べるのも素敵です。

そばの具材も、エビ天などの豪華なものは避けて、シンプルにネギやわかめ、油揚げなどを使うとよいでしょう。

2. しゃぶしゃぶやすき焼きも選択肢になります

お正月に家族が集まる際、しゃぶしゃぶやすき焼きを楽しむという選択もあります。これらは特にお祝いの料理というわけではないので、喪中でも問題ありません。

鍋料理は家族で囲んで食べられるので、故人を偲びながら会話を楽しむのにもぴったりです。華美にならないように、食材は控えめに選ぶとよいでしょう。

ただし豪華な食材を使いすぎたり、お祝いムードで盛り上がりすぎたりしないように気をつけることが大切です。

3. 洋風や中華風の料理という選択もあります

和食のおせちにこだわらず、洋風や中華風の料理を用意するという方法もあります。これらは日本のお祝い事とは直接関係がないため、喪中でも気兼ねなく食べられるでしょう。

たとえばローストビーフやグラタン、シチューといった洋食や、中華料理のコース料理などもよいかもしれません。ただし豪華すぎる内容は避けて、普段の延長のような食事にするとよいでしょう。

家族の好みに合わせて、故人が好きだった料理を用意するのも一つの方法です。故人を偲ぶという意味では、むしろその方が心がこもっているかもしれません。

喪中のお正月で気をつけるべきこと

おせち以外にも、喪中のお正月には気をつけるべきことがいくつかあります。知っておくと安心でしょう。

1. 「明けましておめでとう」というあいさつは避けましょう

喪中の期間は「明けましておめでとうございます」というお祝いのあいさつは控えるのがマナーです。代わりに「本年もよろしくお願いいたします」や「今年もよろしくお願いします」といった言葉を使いましょう。

親しい人には「穏やかな新年をお迎えですか」「昨年はお世話になりました」といった言葉もよいかもしれません。お祝いの言葉を使わないように意識することが大切です。

もし相手から「おめでとう」と言われた場合は、笑顔で「ありがとうございます。今年もよろしくお願いします」と返すのがスマートでしょう。相手に気まずい思いをさせないことも大人のマナーです。

2. 正月飾りや鏡餅は控えるのが基本です

門松やしめ飾り、鏡餅といったお正月の飾りは、新年を祝うためのものです。喪中の期間はこれらの飾りを控えるのが一般的とされています。

特に忌中の期間は、こうした飾りは一切しない方がよいでしょう。忌明け後の喪中であっても、控えめにしておく方が無難です。

ただし地域によっては「松の内(1月7日)を過ぎれば飾ってもよい」という考え方もあるようです。迷ったときは地域の風習を確認してみるとよいでしょう。

3. 神社への初詣は忌明け後にしましょう

神道では死を穢れと考えるため、忌中の期間は神社への参拝を控えるべきとされています。初詣に行きたい場合は、四十九日法要が終わって忌明けしてからにしましょう。

お寺への参拝は忌中でも問題ないとされています。仏教では死を穢れとは考えないためです。初詣に行きたい場合はお寺を選ぶとよいでしょう。

喪中であっても、故人の冥福を祈るためにお寺にお参りするのは、むしろ良いことだと思います。静かに手を合わせる時間を持つことも大切ではないでしょうか。

おわりに

喪中のお正月は、おせちを食べるかどうかだけでなく、過ごし方全体に配慮が必要な期間です。ただし絶対的なルールがあるわけではなく、宗派や地域、家族の考え方によって柔軟に判断してよいことも覚えておきましょう。

大切なのは故人への敬意を忘れず、家族が納得できる形で新年を迎えることです。おせちを食べないという選択も、ふせち料理で静かに過ごすという選択も、どちらも間違いではありません。家族で話し合って、みんなが心穏やかに過ごせる方法を見つけてください。喪中だからこそ、故人を偲びながら家族の絆を深める機会にできるのではないでしょうか。

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