葬儀の知識

故人の着物はどう着せる?着物の種類や作法を解説!

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大切な家族が旅立つとき、最後の装いに心を込めたいと思うのは自然な気持ちです。

でも、着物をどう着せればいいのか、左前や右前といった言葉を聞いても、実際にどうすればいいのかわからないと感じる方もいるかもしれません。この記事では、故人に着せる着物の基本的な手順や、それぞれの装具が持つ意味、さらに現代ならではの選び方まで、丁寧に解説していきます。

納棺までの準備や着せ方を知っておくことで、故人への想いをしっかりと形にすることができます。

故人の着物の着せ方の基本とは?

故人に着物を着せる瞬間は、家族にとって最後の大切な時間です。正しい手順を知っておくことで、心を込めて見送ることができます。

1. 着物を着せるタイミングと流れ

着物を着せる作業は、一般的には納棺の際に行われます。病院で亡くなった場合は、一度浴衣やガウンに着替えた後、自宅や葬儀会館などで改めて本格的な死装束に着替えさせることが多いです。納棺師や葬儀社のスタッフが行う場合もあれば、家族が手を添えて一緒に行うこともあります。

タイミングとしては、逝去後に体を清める「湯灌」や「エンゼルケア」を終えた後になります。体がきれいになってから、ゆっくりと着物を着せていく流れです。焦る必要はありません。故人と向き合いながら、丁寧に進めていくことが大切です。

家族が直接着せる場合は、葬儀社のスタッフに教えてもらいながら進めることもできます。わからないことがあれば遠慮せず聞いてみましょう。最後の身支度を家族の手で行うことは、とても意味のある時間になります。

2. 「左前」で合わせる理由と意味

着物を着せるときに必ず守るべきなのが「左前」という合わせ方です。普段、生きている人が着る着物は「右前」といって、自分から見て右側の襟を先に体に沿わせます。でも故人には、その逆の「左前」で着せるのが古くからの習わしです。

左前とは、右側の襟を上にして重ねる着方のこと。つまり、故人から見ると左の襟が下になり、右の襟が上に重なります。これは「この世とあの世の逆転」を表しているといわれています。生と死、現世と来世を分ける象徴的な着方なのです。

間違えて右前で着せてしまうと、生きている人と同じになってしまいます。細かいことのように思えますが、伝統的な意味を持つ大切な作法です。故人が安らかに旅立てるように、きちんと左前で整えてあげましょう。

3. 体を清める手順の大切さ

着物を着せる前に、まず体をきれいにする必要があります。これを「湯灌」や「エンゼルケア」と呼びます。病院では看護師が簡単な清拭を行ってくれますが、自宅や葬儀会館では専門のスタッフが丁寧に体を拭いてくれます。

顔や手足、全身を温かいタオルで優しく拭いていきます。目元や口元は特にそっと、指の間も丁寧に拭き取ります。この作業を通じて、生前の疲れを癒してあげるような気持ちになるかもしれません。清潔にすることで、着物も気持ちよく着せられます。

体を拭いた後は、必要に応じて体型補正を行います。タオルを使って胸やお腹を整えることで、着物の形がきれいに見えるようになります。こうした一つ一つの手順が、故人への敬意と愛情を込めた最後の身支度になるのです。

死装束として用いられる着物の種類

故人に着せる着物には、いくつかの種類があります。伝統的な白い装束だけでなく、生前に好きだった服を選ぶこともできるようになってきました。

1. 経帷子と白装束の違い

「経帷子」と「白装束」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。経帷子とは、白い生地に経文が書かれた着物のことです。仏教の葬儀でよく使われ、故人があの世へ旅立つ際の正装とされています。経文が書かれていることで、故人を守り導く意味があるといわれています。

一方、白装束はもっと広い意味で使われる言葉です。白い着物全般を指すこともあれば、頭陀袋やわらじなどの装具を含めた一式を指すこともあります。経帷子も白装束の一種といえるでしょう。

現代では、経帷子ではなくシンプルな白い着物を選ぶ家族も増えています。宗派や地域によっても違いがあるため、葬儀社に相談しながら決めるのが良いかもしれません。どちらを選んでも、故人を思う気持ちに変わりはありません。

2. 白色が選ばれる理由

死装束といえば白、というイメージを持っている方は多いでしょう。なぜ白なのかというと、白は清浄さや無垢を表す色だからです。仏教では、白は汚れのない清らかな状態を象徴する色とされています。

また、白装束は巡礼者の姿にも通じます。故人はこれから霊の世界へと旅立っていく、その旅装束としての意味もあるのです。白い着物を身にまとうことで、この世の煩悩から解放され、新たな世界へ進んでいくという願いが込められています。

最近では白以外の色や柄のある着物を選ぶ方もいます。大切なのは、故人がどんな姿で旅立ちたいかという想いです。白にこだわる必要はないという考え方も広がっています。

3. 生前の着物や好きな服も着せられるのか?

伝統的には白い死装束を着せることが一般的でしたが、今は考え方が柔軟になってきました。故人が生前に大切にしていた着物や、好きだった洋服を着せることもできます。むしろ、その人らしい装いで送り出したいという家族の想いが尊重される時代です。

たとえば、着物が好きだった方には色柄のある訪問着や小紋を着せることもあります。また、和服ではなく洋服を選ぶ方も増えています。ワンピースやスーツ、エンディングドレスと呼ばれる専用の衣装もあります。

ただし、注意点もあります。金属製のボタンやファスナーがついた服は、火葬の際に問題になることがあるため避けた方が良いとされています。葬儀社に相談しながら、故人らしい装いを選んであげましょう。

着物を着せる前に必要な準備

着物を着せる前には、いくつか準備しておくべきものがあります。事前に揃えておくことで、当日は落ち着いて作業ができます。

1. 必要な小物や装具の種類

着物を着せるには、着物本体だけでなく様々な小物が必要です。まず基本となるのが肌襦袢です。これは着物の下に着る下着のようなもので、直接肌に触れる部分を守ります。

次に帯が必要です。着物を固定し、全体の形を整えるために使います。白い帯を用意するのが一般的です。腰紐や伊達締めといった紐類もあると便利です。

さらに、死装束には特有の装具があります。手甲や脚絆、わらじ、頭陀袋、天冠などです。これらは故人があの世への旅をする際に必要な道具とされています。すべてを揃える必要はなく、家族の考え方や宗派によって選べます。

2. 体型補正とタオルの使い方

着物をきれいに着せるためには、体型補正が欠かせません。逝去後は体の状態が変化するため、タオルを使って形を整えることで着物が美しく見えます。

お腹や胸の部分にタオルを当てて、体のラインを滑らかにします。特に痩せている方や、体の凹凸が気になる場合には、複数枚のタオルを重ねて調整します。タオルは清潔なものを用意し、ガーゼや晒しで包んで使うこともあります。

また、首の後ろや腰の部分にもタオルを入れることがあります。こうすることで襟元がきれいに決まり、着物全体の見栄えが良くなります。細かい調整ですが、仕上がりに大きく影響するポイントです。

3. 着物と帯の用意のポイント

着物と帯を用意するとき、いくつか気をつけたいことがあります。まず、季節に合わせた素材を選ぶことです。冬場は袷の着物、夏場は単衣や薄手のものを選ぶと良いでしょう。

着物のサイズも重要です。棺に納めるときに窮屈にならないよう、やや大きめのサイズを選ぶこともあります。また、着付けがしやすいように、縫い目がしっかりしていて、あまり凝った仕立てでないものが向いています。

帯は幅が広すぎないものを選びましょう。名古屋帯や半幅帯が使いやすいです。結び方も後ほど解説しますが、シンプルで崩れにくい形が良いとされています。すべてを事前に確認しておくと、当日は安心して進められます。

襟の合わせ方と左前の作法

着物を着せる中で最も大切なのが、襟の合わせ方です。ここを間違えると意味が変わってしまうため、慎重に行いましょう。

1. 襟合わせの具体的な手順

襟を合わせるときは、まず故人の体に着物を羽織らせます。そして、右側の襟を最初に体に沿わせます。次に、左側の襟を右側の上から重ねるようにします。これで「左前」の完成です。

自分から見ると、左側の襟が上に見えます。故人の体に密着しているのは右側の襟です。生きている人と逆になっているか、必ず確認しましょう。

襟元は少し深めに合わせるのがポイントです。胸元が開きすぎないように、きちんと重ねます。襟の重なり部分がきれいな三角形になるように整えると、見た目も美しく仕上がります。

2. 崩れないように固定する方法

襟合わせができたら、次は崩れないように固定します。腰紐を使って、着物を体に巻きつけるように結びます。強く締めすぎず、でもしっかりと固定することが大切です。

腰紐は胸の下あたりで結ぶのが一般的です。紐を後ろに回し、前で交差させてから脇に挟み込むようにすると安定します。伊達締めを追加で使うと、さらにしっかり固定できます。

襟元がずれないように、何度か確認しながら進めましょう。故人の体は硬直していることもあるため、無理に動かさず、優しく丁寧に扱います。家族数人で協力しながら行うと、スムーズに進められます。

3. 形を整えるときのコツ

襟を固定したら、全体の形を整えます。背中のシワを伸ばし、袖の位置を整えます。襟元がきれいに見えるように、何度か微調整を加えます。

おはしょりは作らないか、作っても短めにするのが一般的です。死装束では、あまり複雑な形にせず、シンプルに整えることが多いです。裾の長さは、足首が隠れる程度に調整します。

襟元から裾まで、全体のバランスを見ながら仕上げていきます。鏡を使って確認したり、別の角度から見たりすると良いでしょう。故人が穏やかに見えるよう、心を込めて整えてあげましょう。

帯の結び方と注意点

着物を固定し、全体を美しく見せるために帯は欠かせません。ここでは、基本的な結び方や気をつけたい点を紹介します。

1. 一文字結びやお太鼓結びのやり方

死装束の帯は、シンプルな結び方が好まれます。代表的なのが「一文字結び」です。これは帯を一周巻いて、正面でまっすぐに結ぶだけのシンプルな形です。余った部分を折り返して、きれいな長方形に整えます。

もう一つよく使われるのが「お太鼓結び」です。こちらは通常の着物でも使われる結び方ですが、死装束の場合は少し小さめに作ります。背中で帯を折り返し、四角い形に整えます。華やかさよりも、控えめで落ち着いた印象にするのがポイントです。

どちらの結び方を選んでも、大切なのは崩れにくくすることです。帯がゆるむと着物全体が崩れてしまうため、しっかりと結びましょう。

2. 縦結びが基本である理由

帯を結ぶとき、もう一つ覚えておきたいのが「縦結び」という考え方です。通常、生きている人が帯を結ぶときは「横結び」といって、結び目が横向きになります。しかし死装束では、結び目を縦にすることがあります。

縦結びには「悲しみが重ならないように」という意味が込められています。一度きりの別れであってほしいという願いが表されているのです。ただし、必ずしも縦結びにしなければいけないわけではありません。地域や宗派によって違いがあります。

大切なのは、結び方の意味を理解しながら、丁寧に結ぶことです。故人を想う気持ちが一番大切だと考えて良いでしょう。

3. 帯の位置と固定の仕方

帯を巻く位置にも気を配りましょう。死装束では、帯は胸よりも少し下、ちょうどみぞおちから腰の間あたりに巻くことが多いです。高すぎると窮屈に見え、低すぎると着物が崩れやすくなります。

帯を巻くときは、まず体の正面から後ろに向かって一周させます。二周目は少しずらして重ねると、より安定します。帯の端は内側に折り込んで、見えないように処理します。

固定する際は、帯締めや帯留めを使うこともあります。ただし、死装束の場合は装飾的なものは避け、シンプルなものを選びます。最後に全体を見て、帯がまっすぐになっているか確認しましょう。

死装束に身につける装具の意味

死装束には、着物や帯のほかにも様々な装具があります。それぞれに深い意味が込められています。

1. 手甲・脚絆・わらじの役割

手甲は腕につける布のことです。手首から肘にかけて巻きつけ、旅の際に袖が邪魔にならないようにするためのものです。脚絆は足に巻く布で、すねから足首までを覆います。これも歩きやすくするための旅装束の一部です。

わらじは足に履かせる草履です。昔の旅人が履いていたもので、故人があの世へと歩いていくための履物とされています。現代では本物のわらじではなく、紙で作られた模造品を使うことも多いです。

これらの装具を身につけることで、故人は旅支度が整ったとされます。すべて揃えなくても構いませんが、伝統を大切にしたい場合は用意すると良いでしょう。

2. 天冠や編笠の使い方

頭につける装具として、天冠や編笠があります。天冠は白い三角形の布で、額の前につけます。これは修行僧や巡礼者が身につけるもので、聖なる旅への準備を意味します。

編笠は頭に被る笠のことです。顔を隠すように被せることもあります。これも旅の装いの一つとして使われます。

どちらも必須ではありませんが、伝統的な形を重んじる場合には使用します。葬儀社に相談すれば、用意してもらえることが多いです。最近では簡略化されることも多く、天冠だけをつける場合もあります。

3. 頭陀袋や六文銭を添える意味

頭陀袋は小さな布の袋で、首から下げたり手に持たせたりします。この中には、故人があの世で必要とするものを入れるとされています。実際には何も入れないことが多いですが、象徴として持たせます。

六文銭は、三途の川を渡るための渡し賃といわれています。本物のお金ではなく、紙に印刷されたものや模造品を使います。頭陀袋の中に入れたり、手に持たせたりします。

これらの装具は、故人が無事にあの世へたどり着けるようにという願いが込められています。一つ一つに意味があることを知ると、より丁寧に扱いたくなるかもしれません。

現代の納棺で多い着物スタイル

時代とともに、死装束の考え方も変わってきました。今は故人らしさを大切にする傾向が強くなっています。

1. 好きだった服やワンピースでも良いのか?

最近では、白い死装束にこだわらず、故人が生前好きだった服を着せることが増えています。和服が好きだった方には色柄のある着物を、洋服が好きだった方にはワンピースやスーツを選ぶこともあります。

大切なのは、故人がどんな姿で旅立ちたいかという想いです。家族が「この服が似合っていたな」「これを着ている姿が一番好きだった」と思える服を選ぶことは、決して間違いではありません。

ただし、いくつか注意点があります。金属製のボタンやファスナー、ビーズなどの装飾品がついた服は、火葬の際に問題になることがあります。これらは取り外すか、別の服を選ぶ方が安心です。葬儀社に相談しながら決めましょう。

2. 宗派によって異なる死装束の選び方

仏教、神道、キリスト教など、宗派によって死装束の考え方は異なります。仏教では白い経帷子や白装束が一般的です。神道でも白を基調とした装束を使いますが、経文は入っていません。

キリスト教の場合は、特定の死装束はなく、故人が好きだった服や礼服を着せることが多いです。宗派にとらわれず、自由な装いが認められています。

無宗教の葬儀も増えており、その場合は完全に自由です。家族の考え方や故人の遺志を尊重して選ぶことができます。迷ったときは、葬儀社に宗派ごとの慣習を確認すると良いでしょう。

3. エンディングドレスという選択肢

最近注目されているのが「エンディングドレス」です。これは納棺用に作られた専用の衣装で、見た目は華やかでありながら、火葬にも対応した素材で作られています。

色やデザインも豊富で、故人の好みに合わせて選べます。白だけでなく、ピンクや水色、花柄のものもあります。女性だけでなく、男性用のエンディングスーツもあります。

エンディングドレスは、伝統と現代のニーズを両立させた新しい選択肢といえるでしょう。「最後は好きな色に包まれて旅立ちたい」という想いを叶えられます。葬儀社で取り扱っていることが多いので、気になる方は相談してみてください。

着物を着せるときに注意すべきこと

実際に着物を着せる作業には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。事前に知っておくと、落ち着いて対応できます。

1. 死後硬直で着せられない場合の対処法

逝去後、時間が経つと体が硬直してきます。これを死後硬直といいます。この状態になると、腕や足を曲げることが難しくなり、着物を着せるのが困難になることがあります。

そんなときは、無理に着せようとせず、葬儀社に相談しましょう。プロの納棺師は、体を温めたり時間をかけて少しずつ動かしたりして、丁寧に着せる方法を知っています。硬直が進んでしまった場合は、着物を体の上に掛けるだけにすることもあります。

無理に動かすと、体を傷つけてしまうこともあります。故人の体を大切に扱うためにも、専門家の助けを借りることが大切です。焦らず、ゆっくりと進めましょう。

2. 棺に収まるサイズを考える

着物を着せるときは、棺に入るサイズかどうかも考える必要があります。あまりに厚着させてしまうと、棺に収まらなくなることがあります。特に冬場など、寒さ対策で何枚も重ね着させたくなるかもしれませんが、適度な厚みに留めましょう。

また、袖が広がりすぎる着物や、裾が長すぎる着物も注意が必要です。棺の中で窮屈にならないよう、サイズを確認しながら選びましょう。

葬儀社のスタッフは棺のサイズを把握しているので、相談すると安心です。事前に着物を見せて、問題ないか確認してもらうこともできます。

3. 葬儀社や家族との相談が大切

着物選びや着せ方について、一人で悩む必要はありません。葬儀社は多くの経験を持っているので、わからないことは何でも聞いてみましょう。宗派ごとの作法や、地域の習慣についても教えてもらえます。

家族の中でも意見が分かれることがあるかもしれません。伝統的な白装束にしたい人、生前の服を着せたい人、それぞれの想いがあるでしょう。そんなときは、故人が一番喜ぶのはどんな姿かを考えてみてください。

最終的には、家族全員が納得できる形を選ぶことが大切です。話し合いの時間を持ち、互いの意見を尊重しながら決めていきましょう。故人への想いは、きっと同じはずです。

家族が故人に着物を着せるときの心構え

家族の手で着物を着せることは、とても意味のある時間です。最後のお別れを丁寧に行うための心構えを紹介します。

1. 家族だけで行う場合の注意点

家族だけで着物を着せる場合、事前に手順を確認しておきましょう。葬儀社のスタッフに教えてもらったり、動画や資料を見たりして、流れを理解しておくと安心です。

複数人で協力することも大切です。一人では難しい作業も、二人三人いればスムーズに進められます。役割分担をして、襟を合わせる人、帯を結ぶ人、全体を整える人など決めておくと良いでしょう。

途中で困ったときは、遠慮せず葬儀社に助けを求めましょう。完璧にやろうとしなくても大丈夫です。心を込めて行うことが、何よりも大切なのです。

2. 服装や立ち会いのマナー

着物を着せる作業に立ち会う際の服装ですが、特に決まりはありません。ただし、清潔で落ち着いた服装が望ましいです。黒や紺など、地味な色の服を選ぶと良いでしょう。

髪も整え、アクセサリーは控えめにします。派手なマニキュアや香水も避けましょう。故人に向き合う静かな時間にふさわしい装いを心がけます。

立ち会う人数は、部屋の広さや棺の周りのスペースを考えて決めます。あまり多すぎると作業しづらくなるので、数人程度が適当です。他の家族には、完成後に見てもらうこともできます。

3. 手を合わせながら見送る気持ち

着物を着せる作業は、単なる作業ではありません。故人への最後の身支度であり、愛情を込めた見送りの儀式です。一つ一つの動作に、「お疲れ様でした」「ありがとう」という気持ちを込めてください。

襟を整えながら、帯を結びながら、故人との思い出を振り返るかもしれません。涙が出てきても構いません。その感情こそが、故人への想いの表れです。

最後に、着物を着せ終えたら、手を合わせて故人に語りかけてみてください。「きれいになったよ」「安心して旅立ってね」という言葉が、きっと届くはずです。心を込めた身支度は、故人にとっても家族にとっても、大切な時間になるでしょう。

まとめ

故人に着物を着せることは、古くから続く大切な儀式です。左前で合わせることや、白装束の意味を知ると、その奥深さが感じられます。でも今は、伝統にとらわれず故人らしい装いを選ぶこともできる時代です。

どんな着物を選んでも、どんな方法で着せても、大切なのは故人を想う気持ちです。家族の手で丁寧に身支度を整えることは、最後の愛情表現といえるでしょう。わからないことがあれば、葬儀社や周りの人に相談しながら進めてください。きっと、心に残る温かな時間になるはずです。

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